- 犬と猫のマイクロチップの重要性
- マイクロチップとは
- マイクロチップに登録されている情報
- マイクロチップの役割
- 犬猫が迷子になった
- 災害時離れ離れになってしまった
- マイクロチップの義務化について
- マイクロチップ義務化の詳細
- 義務化の背景
- マイクロチップ装着方法と手続きの流れ
- 装着は動物病院へ
- 装着にかかる費用
- 装着に危険性はないの?
- 装着後の登録手続き
- マイクロチップ登録内容の確認方法
- まとめ
犬と猫のマイクロチップ|もしもに備え「取れない名札」を
ペットを飼われている皆さま、愛犬愛猫にマイクロチップを装着をされていますか?
マイクロチップはICタグの一種で、個体識別を目的に現在普及が進められています。
普段はお利口で大人しい犬猫達も災害時や散歩中、何かの拍子でパニックになり脱走してしまうことがあるかもしれません。そんな時にマイクロチップは「取れない名札」として、犬猫と飼い主を繋ぐ重要な役割を果たします。
本記事ではマイクロチップの重要性や装着方法を詳しく解説します。マイクロチップを装着していない犬猫の飼い主さまは、是非最後までお読みいただき「取れない名札」の装着をご検討ください。
犬と猫のマイクロチップの重要性
マイクロチップは、言葉を話せない犬猫の完全な身元証明になるものです。マイクロチップが挿入されていると迷子や災害時の身元確認が容易になります。
マイクロチップとは
マイクロチップは直径1.4㎜×長さ8.2㎜程度の円筒形で、世界で唯一の15桁の数字が記録 された電子標識器具です。高速道路のATMや交通系ICカードと同じ仕組みと考えると分かりやすいでしょう。装着場所は犬猫の首の後ろ、皮膚の下と決められています。
一度装着すると半永久的に使え、首輪や迷子札と違い絶対に取れないことが特徴です。
日本では、国際標準化機構で定められたISO規格のマイクロチップを採用しており、ISOを採用している国では読み取りに互換性があります。
マイクロチップの情報は専用の器機(リーダー)を使うことで読み取ることができます。
マイクロチップに登録されている情報
マイクロチップの中には、15桁の個体識別番号が記録されています。その他の情報は記録されていません。個体識別番号とは別で登録をしたデータベースと紐づけることで、犬猫の情報・飼い主情報が分かる仕組みになっています。
日本国内でマイクロチップを新たに装着する場合、個体識別番号は下記形式です。
例「392 14X X00 000 000」
392 : 国コード、日本
マイクロチップの役割
マイクロチップの役割は個体識別「取れない名札」です。具体的には以下のようなケースで役立ちます。
犬猫が迷子になった
犬猫が迷子になった場合、発見者によって保護された犬猫は動物愛護管理センターや保健所へ連絡が入り引き取られます。
マイクロチップが装着されていれば、個体識別番号を読み取ることでデータベースの情報と紐づけ、すぐに飼い主を特定できます。その後、施設職員より飼い主に引き取り連絡が入る流れです。
マイクロチップ未装着で首輪や迷子札がない場合は、保護犬猫も飼い主からの捜索連絡を待つしかありません。マイクロチップが装着されていると飼い主の特定から連絡までが容易に行えることが分かりますね。
災害時離れ離れになってしまった
災害時同行避難ができず、愛犬愛猫とはぐれてしまうことを耳にします。
災害時は同じ容姿の子が複数頭同時に保護されたり、容姿や様子が普段とは違い見た目だけでの特定が困難なケースも多いでしょう。そんな時にマイクロチップは身元証明にとても役立ちます。また、飼い主が特定できるため誤って譲渡されるようなことも回避できますね。
マイクロチップの義務化について
こちらではマイクロチップの義務化について紹介します。
マイクロチップ義務化の詳細
2022年6月より「動物愛護管理法」の一部が改正され、販売される犬や猫へのマイクロチップの装着・登録が義務化されました 。
同時にマイクロチップを装着した犬猫を迎えた飼い主は、自分の住所や氏名をデータベースへ登録することが必要です。
しかし、現時点では知人から譲り受けた犬猫や、以前より飼っている犬猫へのマイクロチップ装着は飼い主の努力義務とされています。
義務化の背景
マイクロチップ装着義務化の背景は、1995年の阪神・淡路大震災です。震災により多くの犬や猫が迷子になったことを受け、導入への議論が開始されました。
また、情報登録を義務にすることで安易な飼育放棄を防ぐことも目的としています。
マイクロチップ装着方法と手続きの流れ
こちらではマイクロチップを装着する方法と飼い主が行う手続きの流れを紹介します。
装着は動物病院へ
マイクロチップの装着は動物病院などで獣医師または愛玩動物看護師が行います。専用の注射器を使用し、決められた場所(犬猫の首の後ろ)の皮下へ装着します。処置は数秒で終わり、痛みも少ないと言われています。
装着にかかる費用
マイクロチップの装着費用は病院によって異なり、数千円~1万円程度です。
自治体によって家庭で飼育している犬や猫へのマイクロチップ装着費用を補助・助成しています。環境省のサイトで情報が公開されているのでお住まいの地域が該当していないか確認してみましょう。
また、マイクロチップ装着後はマイクロチップ情報の登録が義務付けられています。登録手数料はオンラインで400円、紙申請で1,400円です。
マイクロチップ装着費用と情報登録の手数料が掛かることに注意しましょう。
装着に危険性はないの?
マイクロチップは体内に装着しても問題がおきないよう生体適合ガラスやポリマーで覆われており、装着による障害はほとんど報告されていません。
装着後の登録手続き
動物病院でマイクロチップを装着した後、マイクロチップ情報登録を行うことは飼い主の義務です。装着後30日以内に必ず行いましょう。
【登録の流れ】
- 動物病院でマイクロチップを装着してもらう
- 病院で「マイクロチップ装着証明書」を受け取る
- 環境省の「マイクロチップデータベース」へ登録申請を行う
- 登録証明書の交付を受ける
住所や電話番号、姓が変わった場合も登録変更が必要です。正しい連絡先情報の登録に注意しましょう。
マイクロチップ登録内容の確認方法
マイクロチップ登録内容の確認方法はいくつかあります。
マイクロチップの個体識別番号を読み取るだけであれば、Amazonなどで販売されているリーダーで行えます。しかし登録内容を調べるためのデータベースの閲覧は一般の飼い主では行えません。そのため、リーダーを所持していても分かることは「誰かに飼われているペット」という証のマイクロチップ装着の有無のみです。
飼い主情報を確認するためにデータベースを閲覧できるのは個人情報保護の観点から以下の施設に限定されています。
- 動物愛護管理センター
- 保健所
- 動物病院
- 指定登録機関(日本獣医師会)
もしも迷子の犬を保護して、飼い主の情報を調べたいというときは、動物病院や愛護センターでマイクロチップの番号を確認してもらいましょう。施設担当者が飼い主へ引き取りの連絡まで対応をしてくれます。
また、自身の登録内容を忘れてしまった場合は「マイクロチップ登録証明書」にマイクロチップに登録した内容が記載されています。
登録証明書をなくしてしまった場合は、有料で再交付してもらうことができます。
まとめ
本記事ではマイクロチップの重要性や登録の流れを紹介しました。
愛犬愛猫と万が一離れ離れになった時、マイクロチップは言葉を話せないペットに代わって身元を証明する重要なものです。
地震や水害が多い日本だからこそ「もしも」に備え、マイクロチップ装着の検討は愛するペットと共に過ごしていく上で大切な取り組みの一つでしょう。
装着を迷われている方は、一度動物病院スタッフへ相談してみるのもおすすめです。ぜひ前向きに検討してみてください。
記 者
監 修